旧 其の弐拾 茶爺 北京オリンピックに行く

2008年8月8日午後8時。これが何を示すか、日本のお方はお判りかのぉ。
そうじゃ、北京オリンピック開会式のスタート時刻なんじゃよ。

爺もオリンピックの北京開催が決定してから、実はこの日をズーっとを楽しみに、いや励みにしておってのぉ。そんな爺の想いを知ってか知らずか息子夫婦が開会式に招いてくれて、見せてもらったんじゃよ。

当日は大混雑が予想されておって、噂では会場内に辿り着くのに最低2時間はかかるんじゃないかとか言われておったんじゃが、これはさすが中国じゃわ。
あらゆる規制をしおって、車もガラガラ、地下鉄もオリンピックのチケットを持った者だけの乗車でのぉ。
セキュリテイチェックとやらで40分程はゲートで並ばされたんじゃが、結果的にはえろう早く会場に入ってしもうて、午後6時には鳥の巣スタジアムの中なんじゃよ。

そして席に着くと、それぞれの席には開会式のみに配られるセレモニーグッズが置いてあって、なかなか気が利いておるんじゃよ。また既に、いわゆる前座のショーが始まっておって、雑技団や歌謡ショーなんじゃが、これもまた実に素晴らしい内容と演出での。
全く飽きることなく8月8日午後8時の記念すべき瞬間を迎えたんじゃよ。

それから延々午前1時まで、中国から世界へのメーセージが次から次へと展開されたんじゃ。
中国から生まれて世界に広がった様々なもの、紙・火薬・羅針盤・活版印刷・・・そしてお茶。それらを張芸謀(チャン・イーモウ)監督が圧倒的な人数と最先端のハイテク技術を駆使しながら、絵巻物等の東洋的美意識に基づいた高い芸術性で表現しおっての、本当にあっという間の数時間だったんじゃ。
(実は茶爺は、入場行進だけは長すぎて、コックリコックリしていたようですが)

世界中が注目して凝視しているその瞬間にその現場におられたなんて、人生長く生きておると良いこともあるもんじゃのぉ。すべてに感謝感謝じゃよ。
そうじゃそうじゃ、これは茶館のコラムじゃったの。お茶のこともお話ししなけりゃいかんのぉ。

お茶もオリンピック記念の物がいくつか発売されたんじゃ。
北京を代表する茶館「老舎茶館」では、オリンピックの五輪の五色をそれぞれ青茶・黒茶・紅茶・黄茶・緑茶として綺麗に包装し、公式中国茶セットとして販売しておって、日本円で5000円位じゃったかの。またプーアール茶は上中下を作って、上は2007年の特級茶を金瓜の形に整形した2008個の限定で8800元、中は生茶と熟茶各5枚ずつで3000セット限定で3900元、下は生茶と熟茶各1枚の1万セット限定で1900元。

爺はこう見えても実は結構ミーハーでのぉ。限定品と聞くとついつい手が出てしもうて、北京のお方に頼んで中をインターネットとやらで注文して買ってもらったんじゃ。

先ずは時おり熟茶を飲みながらオリンピックの思い出を味わい、10年後は、其の時には銘茶になっているであろうこの生茶を楽しみながら人生を振り返るんじゃよ。
青茶や黒茶は爺と同じでの、年を経れば経るほど、また別の味わいがでてくるからのぉ。

なに?爺はいったいいくつまで生きるんじゃと?まあ、茶爺じゃから茶寿(108歳)までかのぉ。

そしてその頃には、今回のオリンピックテーマである、「一つの世界、一つの夢」が少しでも進み、同じアジア人である日本と中国の相互理解と相互信頼が大いに発展することを爺は願うばかりじゃよ。

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