其の参 思いでの上海

皆様がもうご存知のように爺にとっては上海は特別な場所なんじゃ(旧作 其の四 回憶上海 をお読みください)

上海とは30年のお付き合いになるんじゃが 日々変わっていく姿 をまさしく目の当たりにしてきたんじゃの

1990年代の上海は大きなビルと言えば19世紀後半から20世紀前半にかけて建築された52棟の所謂 上海租界 と呼ばれた西洋式高層建築だけでの あとはほとんどが二階三階だての建物じゃよ 外国人が歩いていると珍しがってついてくるという 不思議な怪しい魅力的な街じゃったんじゃ

1994年に上海テレビ塔(東方明珠電視塔)が浦東に出来てから それまで何もなかった野っ原に超高層ビルが建ち始めての  今じゃご存知のように 世界一を競うのっぽビルのオンパレードじゃよ 変われば変わるもんじゃの

だから川のどちらから見ても景観は素晴らしくての 東から見れば外灘と呼ばれる旧上海租界地 西から見ればテレビ塔を囲んで浦東の個性豊かな超高層ビル群 遊歩道から眺める景色は素晴らしいですぞ 何故か気持ちを高揚させる力があっての 恋をしたくなるんじゃよ(笑) そしてそれと同時に 人生のはかなさを むなしさを 感じさせるんじゃの
シャングリラホテルの河沿いにはスターバックスがあるんじゃが 爺は密かにこのお店は世界で最も眺望の良いスタバだと思っておっての ここでの一杯の珈琲 実は楽しみなんじゃよ あ~ いかんいかん中国茶好きの爺がスタバを誉めちゃ不味いかも知れんの

今年も春節前に親戚を訪ねて上海を訪問したんじゃが 春節前の中国は紅いお化粧が街中にほどこされておっての 実に中国らしさ満載で元気いっぱいなんじゃよ でもの今年から上海でも爆竹禁止令が施行されての 大みそかは 寂しいもんじゃったんだそうじゃ 中国は決めると徹底されるからの 爆竹の音は一切しなかったそうじゃよ

爺は上海に来ると 豫園商城の中の 湖心亭 で多くの人が行きかう姿をみながら 中国茶を楽しむのが大好きなんじゃが 相変わらず目の前の九曲橋は大混雑なんじゃが湖心亭はお客がおらんでの そう言えば息子たちが北京の高級飲食店がガラガラじゃと驚いておったの

久しぶりにメニューをよく見たんじゃが  グラスでの 一杯用で工芸茶60元 菊普茶(プーアール茶に菊の花を入れてあるもの)68元 急須で西湖龍井138元 鉄観音118元等(1元は17円程) まあ確かに安くはないんじゃが他の茶館と比べると けっして高くはないとは思うんじゃが やはり景気が悪くなっておるのかの ちょっと心配じゃの

そうじゃそうじゃ 豫園ちゅうのは 清朝時代の地元の高官が両親を喜ばせようと造った庭園での 楽しい園 という意味なんじゃぞ 約2万平米あっての1559年から18年もかけて造営されたんじゃと 爺もこんな息子が欲しかったの
湖心亭は1784年に商人の会合場所として 也是軒 という名前で六角の建物が蓮池の淵に建てられたものが 1855年に茶館になったんじゃと そして名前も湖心亭になったそうじゃ

近代化がものすごいスピードで進む上海で 豫園 はいつまでも昔のままであってほしいの

上海に来られたら 豫園を訪れ庭園を散策して 湖心亭で中国茶を飲んで 南翔小龍包を食べて 豫園商城を歩いて 清朝時代の中国に身も心も浸ってくだされ  時間は最低半日はとってくださいの

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