旧 其の拾参 広州:(下)

広州と言えば「食在広州」、やはり食じゃよ。

今回は飲茶と茶館のお話をするかの。広州には有名レストランがいくつもあっての、 「伴渓酒家」、「唐苑酒家」、「北園」、「陶陶居」、「南園酒家」・・・、とみんなそれぞれに特徴があるんじゃ。そして広州で楽しいのは朝が早いことなんじゃよ。 ほとんどのレストランが早朝から飲茶で営業しておるんじゃ。爺のような早起きさんに 楽しい街なんじゃ。

だからの僅か2泊3日の滞在でもいろんなレストランを楽しめるんじゃぞ。「伴渓酒家」は茘湾湖公園に隣接した中国風建築で知られた有名店での、朝からお客でごったがえしておるんじゃ。値段も安くての二人でおなか一杯飲茶してもせいぜい500円いくかいかないかというほど。大きな円卓を囲んでみんな和気藹々での、大声で会話しておるんじゃよ。みんなが仲間という雰囲気での、ええ感じじゃ。

一方高級店で知られた「唐苑酒家」。まあ高いといっても飲茶だと二人で千円位のもんじゃ。こちらは確かに立派で綺麗で、もちろんお客さんは一杯なんじゃが、何か「伴渓酒家」や「陶陶居」と比べると実に静かなんじゃ。老夫婦が二人で飲茶しながら新聞を読みながらときおり会話したりと、服装も雰囲気も全く違うんじゃよ。中国も本当に豊かになってきたんじゃの。

でも爺はいつも考えさせられるんじゃよ。人間どっちが幸せなんじゃろか、とな。 茶館もいろいろじゃ。

広州にはいくつかの代表的な公園があるんじゃが、その公園にはほとんど茶館があっての。蘭圃には「国香茶芸館」、茘湾湖公園には「茶芸楽園」、流花湖公園には「流花茶芸城」といったぐあいにな。広州では公園に入るには入場料が必要なんじゃが、どこもお茶券とセットになった入場券があるんじゃ。

大体朝は10時オープンといったところでの、近くでゆっくり飲茶した後公園を散歩してお茶というのが爺の広州での日課なんじゃよ。散歩をしておると面白いぞ。いくつもの グループが太極拳をしたり、ソシアルダンスをしたり、中国舞踊をしたりと、実に平和な中国的な風景がそこにはあるんじゃよ。

どこも湖と緑に囲まれた茶館は最高での、爺はそこで思い出に浸りながらも未来を夢見るんじゃよ。また料金も比較的良心的での、もちろん頼むお茶の種類にもよるんじゃが二人で千円といったところかの。

一方いわゆる高級店というのもあっての、「雅韵軒和清居」は川沿いにあって夜景が自慢の店での、部屋が18室もあるんじゃが、すべての部屋が台湾風・上海風・日本風・・・、と趣向が凝らされておるんじゃよ。

最も安いお茶でも98元(約1400円)、上は1000元位(約14、200円)のものもいくつかあっての。中国の金持ちのクラブ的存在になっておるんじゃ。でもの、個室でなければ二人で最低消費2000円位で上がるから新中国を垣間見るという意味でも、ちょいと覗いても良いんじゃないかの。 まあ中国茶好きなら一度は青茶が生活に溶け込んだ広州を訪れるべきじゃの。

※中国元のレートは2005年10月現在となります

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